静岡大学総合防災センター
地域の「防災ホームドクター」
 
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 宝永4年(1707年)11月23日(旧暦)の早朝、富士山の南東山腹に開いた火口から大噴火が起きました。これが宝永噴火で、北西-南東方向に並んだ3つの巨大な火口が、富士山の南東斜面の三〜七合目付近に今も残っています。噴火は12月9日未明(旧暦)まで半月あまり続き、噴煙と降灰は小山町や御殿場市はもちろん、神奈川、東京、千葉県の一部にまで及び、昼空も夜のように暗くなったといわれます。
 この噴火により、駿東一帯は大打撃を受けました。特に火口に近い須走村(現:静岡県駿東郡小山町)では、降り注ぐ熱い噴出物のために多くの家屋が焼失。焼け残った家も噴出物の重みで破壊され3mを超える降砂に埋没しました。富士参詣の登山口として、また駿河(現:静岡県)と甲斐(現:山梨県)を結ぶ交通の要衝として賑わった人口400人余りの村は、壊滅状態となったのです。
 家も田畑も山林も失った住民たちは、窮状を打開するために、幕府に陳情を行いました。ところが領内が被災地となった小田原藩からは具体的な救済策が一向に示されず、また幕府が施策を打ち出したのも翌年になってからでした。人々は食物もなく飢餓に苦しみ、ついには村を捨て、離散する人々もいました。
 しかし被災住民は決死の覚悟で幕府に嘆願を再三繰り返しました。やがてその願いが聞き入れられ、幕府は関東郡代・伊奈半左衛門忠順(ただのぶ)を派遣。災害対策の最高責任者として指揮をとらせました。



 宝永噴火による噴石や降灰は東側山麓の須走村(現在の静岡県小山町)を直撃しました。たくさん記録にその被害の様子が残っています。
 甲斐国吉田(山梨県富士吉田市)の御師が書いたとされる史料(「滝口文書」)によると、「11月10日頃から、噴火の前兆とも言える大地震が頻発し、ついには雷のような轟音と共に噴煙が渦巻状に上がった。さらに、夜に入ると噴煙は火炎となり、天を突き上げるかと思うほど吹き上がった。また吹き出る煙は、東方に流れ、雲の中で雷鳴が轟き、稲妻が走った。降ってくる石は内に火気を含み、落ちると火炎が舞い、この石により須走の町は、大火に襲われ、人々も立ち退くほかなかった」と記されています。
 下の図は、噴火当時の町並みを示した記録で、黒色は焼失、灰色は倒壊した家屋を示しています。このように須走村では殆どの家屋が被災したことがわかります。しかし、多くの死者や怪我人が出たとする記録はありません。これは、火砕流や溶岩流が村里に押し寄せなかったことと、冬季で富士への登山者がいなかったことが幸いしたと考えられます。





 伊奈半左衛門忠順が幕府より任命されたのは、砂除川浚(すなよけかわざらい)奉行と呼ばれる、川底に火山灰が堆積していた酒匂川の砂除け、堤防修復などに主に従事する役職でした。 これは川に火山灰が流入したことによる氾濫などの二次災害を防ぐためのもので、宝永5年3月に被災地に赴任した忠順は、被災民の出役により焼砂の排除に着手。疲労困憊(こんぱい)した人々を励まし、極めて過酷な作業に取り組みました。
 酒匂川の普請が進行する一方で、被災した村々の田畑は自力で砂除けをすることが幕府の方針であったため、富士山東麓には飢餓に苦しむ被災民が続出。困窮は深まるばかりであり、多くの村から救済を求める願いが出ていました。その様子を苦慮した忠順は、幕府の掟を破り、駿府(現在の静岡市)紺屋町にあった幕府の米倉を開き、幕府貯蔵米13000石を被災民に分配しました。しかし幕府の禁を破った罪状により、忠順は御公儀役人取り調べの後にお役御免となりました。
 こうした忠順の身を挺した救済により、被災民は難工事を克服しました。また須走村は、交通の要衝であったことなど幕府の積極的な復興支援を促す要素もあり、噴火から2年後には宿場をつくり富士参拝者を迎えるまでに復興しました。



 


現地までの交通
電車
小田急電鉄・JR御殿場線御殿場駅より、タクシー利用で約30分


(1)東名御殿場ICより国道138号を山中湖方面へ約13km 約30分
(2)中央自動車道河口湖ICより東富士五湖道路経由、須走ICより約1km 約1分



■静岡県小山町
http://www.fuji-oyama.jp/

■小山町観光協会
http://www.wbs.ne.jp/bt/kankooyama/

※HPに関する情報は、2009年2月現在のものです。HP製作者等の都合・事情等によって閉鎖・更新されるなど、ご覧になれない可能性もございますことをご承知おきください。

■交通などのお問い合わせ
小山町役場 TEL:0550-76-1111(代)
小山町役場須走支所 TEL.0550-75-2211(代)
小山町観光協会 TEL.0550-76-5000


e-mail:   連絡先:422-8529 静岡市駿河区大谷836 電話:054-238-4502 FAX:054-238-4911