火山爆発のダイナミックス〔計画研究A05班〕 − 火山危機管理専門家支援サーバ VCMS(旧名 VOLCRIMSS)の紹介 −
− 火山危機管理専門家支援サーバ VCMS(旧名 VOLCRIMSS)の紹介 −
「火山危機」とは
 火山噴火の前兆期から噴火(噴火にまで至らない場合には,マグマ活動)のクライマックスを経て終息に至るまでの期間を「火山危機」と呼ぶことにしよう.この期間は,短くて数日から長くて数年以上にわたり,しかも期間内の活動度にも消長がある.この間に発生する被害を最小にとどめるための減災対応にあたる専門家には,限られた時間内にデータ収集・分析・議論・意思決定・広報という一連のプロセスをこなす厳しい対応が課せられる.とくに,議論と意思決定のプロセスは,多くの専門家が一同に会し,与えられる時間もきわめて限られたものとなるため,その時間を最大限有効に利用するためのサポートが与えられなければならない.

合議・意思決定のためのグループウェアの必要性
 しかしながら,現状はそれにほど遠い.2000年8月の三宅島の火山活動評価と情報伝達のどこに問題があったかの考察を試みた小山(2002)は,紙ベースの情報が委員の狭い机に山積みとなっている火山噴火予知連絡会での会議スタイルそのものの非能率性を指摘し,効率的な議論と意思決定の実現をサポートするグループウェアの確立(全資料の電子ファイル化による整理,Webやメーリングリスト等による資料の事前閲覧と議論,会議室設備の電子化,議事録の即時作成,外部サポートチームによる支援など)の必要性を訴えた.

火山危機管理専門家支援サーバ VCMS
 文部科学省科学研究費特定領域研究「火山爆発のダイナミックス」A05班は,上記グループウェアのコアとなるシステムとして,火山危機の際の有効な災害情報伝達ならびに合議・意思決定を支援する「火山危機管理専門家支援サーバ」の開発を研究項目のひとつとして位置づけ,基本的な部分の構築を終えた(小山・前嶋,2004,2005).開発した「火山危機管理専門家支援サーバ」を,VCMS(Volcanic Crisis Management System)と呼ぶことにする.VCMSはインターネット上に置かれたサーバマシン上に置かれたグループウェアであり,ユーザは各自のパソコン上から通常のWebページブラウザを用いて,VCMSに搭載されたすべての機能を遠隔地から利用できる.

【文献】
小山真人(2002)2000年8月の三宅島に関する火山活動評価・情報伝達上の問題点.
 噴火予知連会報,no.78, 125-133.
小山真人・前嶋美紀(2004)火山危機管理専門家支援サーバの基本設計と構築.
 日本火山学会2004年秋季大会予稿集,43.
小山真人・前嶋美紀(2005)火山危機に直面する専門家のための合議・意思決定支援システム.
 文部科学省科学研究費特定領域研究「火山爆発のダイナミクス」平成16年度研究成果報告書
火山爆発のダイナミックス〔計画研究A05班〕
火山爆発のダイナミックス〔計画研究A05班/小山・吉川チーム〕
Since Feb.1,2005